「つぶし」は悪か？

ぷよぷよ対戦において「つぶし」は悪だとされる風潮が強いです。
ですが果たして本当に悪いことなのでしょうか？

（どうでもいいローカルな話題です。）

この話の中では、「つぶし」を「２～４連鎖程度の小規模な連鎖によって、相手の大連鎖のタネを埋めて勝つこと」という、ごく一般的に使われている意味で使用します。

さて、僕は「つぶし」を頻繁にするプレイヤーではないですが、「つぶし」を悪だとは思いません。むしろ１つの作戦として、しごく当然の戦法だと思います。

【例１】
相手が開幕直後から連鎖を組むのに失敗して、しばらくは連鎖が発火できない状態になっていたとしましょう。そういう状態であることを承知した上でこちらが「つぶし」を行えば、確実に勝利できます。対戦に負けた相手は自分に対して、「なんだよつぶしかよ。卑怯だな。」と責めます。
でもそれっていけないことなのでしょうか？
どうして相手が連鎖のタネを復帰させるのを待たなければいけないのでしょう？

【例２】
自分が連鎖を組んでいるときに、どうしてもいらないぷよが出てきました。不要なぷよは消して処理しなければいけないのですが、そのときに偶然２連鎖が出来る形になっていたので、２連鎖を発火しました。結果、偶然にもそれで相手を倒してしまいました。対戦に負けた相手は自分に対して、「なんだよつぶしかよ。卑怯だな。」と責めます。
でもそれっていけないことなのでしょうか？
どうして相手の連鎖の邪魔にならないよう配慮しなければいけないのでしょう？

相手の不満はおそらく、「ぷよぷよ対戦とは連鎖数を競い合うものだ！　大連鎖以外で勝つのは邪道だ！」という思い込みが原因なのです。確かに、大連鎖勝負で相殺しまくる派手な対決は、プレイヤーも観客も面白いでしょう。

しかし、大連鎖への固執は、２つの点であまり良いこととは思いません。

まず１つは、大連鎖を（暗黙の了解として）禁止してしまえば、ぷよ初心者は、上級者にどうやっても勝てません。これはつまらないです。
初心者にとって「つぶし」とは、上級者のイレギュラーを誘う唯一のツールなのであって、これを奪ってしまうと初心者には勝つための方法がないのです。「つぶし」を禁止した状況では上級者が勝ちを重ねるのは当然なのです。本人は大連鎖が打てて満足でしょうが、はたから見てるとあまりカッコよくないです。

もう１つは、大連鎖勝負に限定するとぷよ勝負の面白さに限界ができてしまうことです。連鎖勝負はいうなれば完全に自分との勝負になります。もはや相手のフィールドを見る必要もなく、そこから派生する様々な駆け引きの楽しさもなく、淡々と大連鎖を組み続けるだけです。でもそれだと「とこぷよ」や「CPU対戦」と何も変わりません。「対人戦」である意味がないのです。
【例１】で挙げた、相手の連鎖のスキを見て100%勝てると分かった上で「つぶし」を行うことは、対人戦ならではの立派な戦略です。しかしつぶされた相手は「何だよ運だけで勝ちやがって」と、的外れなことを言います。どちらがぷよ上級者かというと、もちろん相手の状況から自分の手を選択して、勝利を確信した上で意図的に「つぶし」を行ったプレイヤーですよね。

「つぶし」を戦略の１つとして加えることによって、ぷよ勝負は何倍も複雑で、知的で、戦略的なゲームに変わります。これを最初からないものにしてしまうと、ぷよの楽しさの半分も味わえないと思います。とてももったいないことです。

「つぶし」を認めた上での対戦では、
いかに適切なタイミングで「つぶし」を入れるか？
いかに「つぶし」を回避するか？
というように、試合中一瞬たりとも緊張を解けない白熱した試合になります。

例えば「つぶし」を回避するには、「副砲」・「連鎖合体」などの対抗手段もありますし、うまく「クロス」がはまれば、つぶした側の負けを確定させる決定打にもなります。

上級者同士の対戦では、試合中の「つぶし」は当然の戦法です。また上級者ほど、あっさりとつぶされて終わりにはなりません。より知的で運に依存しない対戦を楽しむため、上級者になるためには、まず「つぶし＝悪」という都市伝説を否定するところから始めるべきです。

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という、ど～でもいいエントリー。